こんにちは、ほわんです。
就職活動において、多くの学生や若手社員が英語の資格、特にTOEICのスコアを気にします。しかし、本当にTOEICの高得点が就職に必要なのでしょうか?
TOEICスコアの実際の役立ち具合と、実務で英語を使う際に何が求められるかについて、深く掘り下げてみたいと思います。
TOEICの点数よりも、ある一定の英語力
まず最初に明確にしておきたいのは、TOEICのスコアよりも、実際にある一定レベルの英語力が必要であるという点です。
TOEICスコアが高いことは、確かにある種の英語能力を証明していますが、スコアにこだわりすぎることは推奨されません。
なぜなら、実際のビジネスシーンで求められるのは、テストで良い点を取る能力ではなく、実際に英語を使ってコミュニケーションが取れる能力だからです。
TOEICは試験であって、実務ではない
TOEICはあくまで試験であり、特定の形式に基づいて英語力を測定します。
しかし、ビジネス現場では、生の英語、つまり実際に話される英語が必要とされます。実際に英語を使用する環境では、特定の専門用語やビジネスフレーズを知っていることが求められることが多く、これらはTOEICのスコアでは測定されません。
TOEIC(Test of English for International Communication)は、世界的に認知された英語能力を測るためのテストであり、特に聞き取り(リスニング)と読み取り(リーディング)のスキルに焦点を当てています。
その形式は、英語使用者が国際的な環境でコミュニケーションを取る際に必要な基本的な英語能力を測定することを目的としています。
しかし、TOEICスコアが高いということは、その人がリスニングやリーディングにおいて優れた能力を持っていることを示しますが、それだけで実際のビジネス環境で求められるすべての英語能力を持っているとは限りません。
実際のビジネスシーンでの英語使用
ビジネスの現場では、TOEICで測定されるスキルとは異なる、さらに多様な英語能力が求められます。実際のビジネスコミュニケーションでは、次のような能力が特に重要です。
TOEICスコアの限界
TOEICは主にリスニングとリーディングのスキルを測定するため、スピーキングやライティングの能力は直接評価されません。
したがって、テストのスコアが高い人でも、実際には口頭や書面での英語コミュニケーションに苦労する場合があります。
また、ビジネスシーン特有の表現や専門用語がテストではカバーされていないため、これらを理解し使用できるかどうかは、TOEICのスコアだけでは判断できません。
実際に多くの企業や教育機関では、TOEICスコアを一定の基準として英語能力の指標としていますが、同時に実践的なビジネス英語スキルの習得を促しています。
たとえば、ビジネス英語コースや実践的なコミュニケーショントレーニングを通じて、実際のビジネスシーンで直面するような状況を模擬し、実用的な英語能力を身につけることを推奨しています。
英語を学ぶ上で、特に日本人の間では「ネイティブのように完璧に話さなければならない」という考えが根強くあります。
学校教育や社会からの期待が重なり合い、多くの人がTOEICの高スコアを目指して熱心に勉強をします。
しかし、この「完璧主義」が実際に英語を使う場面、特に社会でのコミュニケーションにおいて障壁となることが少なくありません。
「完璧主義」の陥りやすい罠とは、言葉を発する前に、自分がこれから話す英語が正しいかを頭の中で過剰に考えてしまい、結果として言葉が出てこないことです。
この状態では、会話がスムーズに進まず、コミュニケーションが成立しません。
TOEICのスコアは、英語能力の一定の指標となりますが、高スコアが必ずしも実際のコミュニケーション能力を示すものではありません。
重要なのは、正確性を求めるあまりに会話そのものを避けてしまうのではなく、積極的にコミュニケーションを取り、場数を踏むことです。
実際に英語を使う際には、文法の間違いや発音の不正確さがあっても、コミュニケーションが成立することが多いです。
相手に意図を伝え、理解を深めることができれば、それは成功したコミュニケーションと言えるでしょう。そして、そのような経験を積むことで、自然と英語能力も向上していきます。
完璧を目指すのではなく、「完璧主義」を超え、実際に言葉を使ってみる勇気を持つことが大切です。
TOEICスコアの向上も大切ですが、それよりも重要なのは、実際に英語を使ってコミュニケーションを取る経験を積むことです。
この経験が、英語を使う上での真の力となります。英語学習においては、自分自身の限界を設けず、コミュニケーションを楽しむ心を持ち続けることが、最終的には大きな成果をもたらす鍵となるでしょう。
実務での英語使用経験
非英語ネイティブスピーカーの割合については、世界人口の中で英語が第一言語ではない人々の割合が圧倒的に多いです。
2023年の時点で、世界の総人口は約78億人であり、英語ネイティブスピーカーの数は約3億7500万人と推定されています。これは世界人口の約5%に過ぎません。
つまり、残りの95%程度が非英語ネイティブスピーカーということになります。
英語はグローバルなコミュニケーションの言語として広く用いられていますが、その学習者を含めると、第二言語または外国語として英語を話す人々の数はさらに多く、世界全体で約20億人にのぼると推定されています。
これにより、英語を何らかの形で使用している人々の割合はかなり高くなりますが、それでもなお、第一言語としてではない人々が大多数を占めています。
これらの数字からも明らかなように、非英語ネイティブスピーカーが世界において大多数を占めており、英語を学ぶ動機や目的も多様です。
ビジネス、教育、旅行など、様々な分野で英語が共通語として使われている現状が、非ネイティブスピーカーの学習意欲を促しています。
正しい文法で英語を話すことができなくても、会話は成立することが多いです。コミュニケーションの目的は、情報や意図を相手に伝え、理解してもらうことにあります。
そのため、文法的な誤りがあっても、相手がメッセージの意図を理解できれば、コミュニケーションは成功していると言えます。
実際、非英語ネイティブスピーカー同士、またはネイティブスピーカーと非ネイティブスピーカーの間のコミュニケーションでは、完璧な文法よりも意思疎通が優先されます。
多くの場合、ネイティブスピーカーも文法的な誤りを理解し、許容する傾向があります。特にグローバルなコミュニケーションの場では、様々なレベルの英語能力を持つ人々が互いに協力し、理解し合うことが求められます。
また、実生活でのコミュニケーションでは、非言語的要素(ジェスチャー、表情、トーンなど)や文脈が言葉以上に重要な役割を果たすこともあります。
これらの要素が相手に正確なメッセージを伝えるのを助けるため、文法的に完璧でない表現でも意思疎通が可能になります。
重要なのは、完璧な文法にこだわりすぎず、恐れずにコミュニケーションを試みることです。
誤りを恐れずに話すことで、実際の使用経験を積み、徐々に英語のスキルが向上していくことでしょう。コミュニケーションは完璧さを求めるよりも、相互理解を目指すべきプロセスです。
したがって、20年にわたる英語を使用する仕事で学んだことは、TOEICスコアが500点でも900点でも、実際の業務での役立ち具合はそれほど変わらない場合があるということです。
重要なのは、どれだけ実際に英語を使った経験があるか、どれだけ実際のビジネスシーンで英語を駆使できるかです。
実際に、TOEIC500点未満のスコアの方(この方はテストを受けていませんので私の憶測です)でも、特定の専門用語に精通していることでビジネス会話がスムーズに行われている現場には数多く遭遇しました。
私自身、新卒で商社に就職した時にはTOEIC800点以上のスコアを持っていましたが、実際にはそのスコアが役立った瞬間はほとんどありませんでした。
これらの事例は、TOEICのスコアが高いことが必ずしも実際のビジネスシーンでの英語使用能力を保証するものではなく、実践的な経験や異文化コミュニケーションのスキルが重要であることを示しています。
実践を重視した英語力の習得
したがって、TOEICの点数に固執するのではなく、ある程度の英語力を身に着けたら、実際に英語を使用する機会を積極的に探すことが重要です。
フリーランスとして直接飛び込むのが難しい場合でも、企業の社内翻訳や社内通訳のポジションを通じて、英語力を実践的に磨く機会はたくさんあります。
実際に英語を使うことで、学んだ文法やボキャブラリーがどのように活きてくるのか、そして何が足りないのかを知ることができます。そして、これらの経験はTOEICのテストでは得られない貴重なものです。
さらに、英語を使う仕事では、コミュニケーション能力、すなわちリスニングやスピーキングのスキルが非常に重要です。
これらは日常的な実践を通じてのみ本当に向上します。
例えば、英語を母国語とする人々との日常会話、プレゼンテーション、会議への参加などは、実際のビジネスシーンでの英語使用能力を高める絶好の機会となります。
また、英語のメールやレポートの作成も重要なスキルです。
これらの書き方は、単に言葉を知っているだけではなく、適切なビジネス文書のフォーマットやトーンを理解し、適用する能力を必要とします。TOEICスコアが高いことは、これらのスキルを保証するものではありません。
英語を実際のビジネスシーンで使いこなすためには、異文化間コミュニケーションの理解も不可欠です。
異なる文化背景を持つ人々と効果的にコミュニケーションを取るには、言葉だけではなく、その文化特有のニュアンスや表現の違いを理解することが重要です。これは、実際に多様な文化の人々と接する中でしか学べない知識です。
まとめ
TOEICの高得点が就職において役立つことはありますが、それが全てではありません。
実際に英語を使う能力、特にコミュニケーションスキル、実務での英語使用経験、異文化間コミュニケーションの理解が、就職後の成功には欠かせません。
したがって、TOEICのスコアを追求するだけでなく、実際に英語を使う機会を積極的に探し、多様な経験を積むことが、真の英語力を身につけ、将来のキャリアを築く上での鍵となります。
最終的には、TOEICスコア以上に、実際のビジネスシーンでの英語使用能力があなたの価値を高めることでしょう。
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