[ʌ]の発音（アメリカ英語）

[ʌ]の発音は、英語における母音の一つで、日本語には直接相当する母音がありません。この音は、日本語の母音体系には存在しない中央の開母音で、特に英語を母国語としない人にとっては習得が難しい音の一つです。簡単に説明すると曖昧母音である[ə] がアクセントのある位置に来ると[ʌ] の音になります。

[ʌ]音は、口をそこまで大きく開けずに、舌を口の底に近づけた中間の位置で発音されます。この音の発音は、日本語の「あ」と「う」の中間に位置するような感じがしますが、

	前	中央	後
高	i (beet)		u (boot)
	ɪ (bit)		ʊ (book)
中	eɪ (bait)	ʌ (cut) ɝ (bird) ə (sofa) ɚ (runner)	oʊ (boat)
	ɛ (bet)		ɔ (bought)
低	æ (bat)		ɑ (pot)

どちらの日本語の母音とも明確には異なります。発音する際の口の形や舌の位置が異なるため、[ʌ]音を出すには、日本語話者にとっては少し特別な練習が必要になるかもしれません。

練習の際には、口を開ける程度や舌の位置を意識しながら、[ʌ]音が含まれる英語の単語をリスニングして発音練習をすると良いでしょう。

直接的な日本語の母音との対応はないため、この音の習得には英語の発音例を多く聞き、模倣することが有効です。

[ʌ]の発音をする単語

Cut [kʌt] – 切る
But [bʌt] – しかし
Luck [lʌk] – 運
Hut [hʌt] – 小屋
Rug [rʌg] – 敷物、ラグ
Nuts [nʌts] – ナッツ
Stuck [stʌk] – 突き刺さる、立ち往生する
Duck [dʌk] – アヒル
Strut [strʌt] – 気取って歩く
Gut [gʌt] – 腸

[ʌ]の特徴

舌の位置が口の中央部にあるため、中央母音と分類されます。舌は高くも低くもなく、中間の位置にあります。比較的開いた口の形で発音されますが、全開ではなく、半開程度です。唇は丸くならず、比較的リラックスした状態で、唇の丸みは少ないか無いです。短母音の一つで、短くて一定の時間で発音され、長引かせる必要はありません。

	前	中央	後
高	i (beet)		u (boot)
	ɪ (bit)		ʊ (book)
中	eɪ (bait)	ʌ (cut) ɝ (bird) ə (sofa) ɚ (runner)	oʊ (boat)
	ɛ (bet)		ɔ (bought)
低	æ (bat)		ɑ (pot)

[あ]との違い

アメリカ英語の[ʌ]音（例えば「cut」や「luck」に見られる音）と日本語の母音「あ」の間には、いくつか明確な違いがあります。これらの違いは、母音の発音位置、口の開き方、および音の質感に関連しています。

[ʌ]音は、口の中央付近で発音されます。舌は口底からやや持ち上がり、中央の開母音です。「あ」の音は、口の前方で発音され、舌はより平らで、口底に近い位置にあります。

[ʌ]音を発音する際、口は完全には開かず、ややリラックスした状態で中程度に開きます。「あ」を発音するとき、口はより大きく開き、舌の位置も低いです。

[ʌ]音は、英語に特有の母音であり、日本語の母音には直接相当するものがなく、暖かみのある、ややくぐもった音質を持つことが多いです。日本語の「あ」は、より明るく開放的な音質を持ちます。

これらの違いは、[ʌ]音と「あ」が異なる音響特性を持つため、聞き手によってはっきりと区別されます。日本語話者が[ʌ]音を習得する際には、これらの違いを意識して練習することが重要です。[ʌ]音の正確な発音を身につけるには、英語のリスニングと発音練習を通じて、この特有の母音に慣れる必要があります。

発音方法

[ʌ]の音は、「cut」や「hut」などの単語に見られ、日本人学習者にとっては少し発音が難しい場合がありますが、練習を重ねることで正確な発音が可能になります。

参考動画

すべての発声に共通