日本語の話し方に慣れている大人が英語を話すとき、いくつか特別に気をつけるべき点があります。
すべての発声に共通
日本語と英語では、口の動かし方や音の出し方が違うので、英語を話すときは、いつもより口を大きく開けたり、普段しないような発音をする必要があるかもしれません。
英語のネイティブスピーカーのように話せるようになるには、実際に声を出して練習することがすごく大事です。日本語の発音にならないように、意識して英語の音を出す練習をたくさんする必要があります。
口、喉、首の緊張をかなり緩めてください。
- 口の開け方と母音の発音
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英語では口を大きく開けて母音を発音することが多いです。特に、口の開き方や舌の位置によって多様な母音が生み出されます。
日本語話者は、英語の母音を発音する際に、自分にとって過剰と思えるほど口を開ける必要があります。また、母音の長さや質にも注意し、英語特有の母音を正確に発音できるようになることが重要です。
- 子音の発音
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英語には日本語に存在しない子音や子音の組み合わせ(子音クラスター)があります。これらの子音や子音クラスターを正確に発音するためには、舌や唇の使い方を含む発声訓練が必要です。
例えば、英語の「th」音(θ, ð)や「r」音、そして「l」と「r」の区別など、日本語にはない発音を習得するためには意識的な練習が欠かせません。
- リズムとイントネーション
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英語は強弱アクセントの言語であり、単語や文の意味を伝えるために特定の音節に強勢を置くことが一般的です。
日本語話者は、英語のリズムやイントネーションを身につけるために、これらの強勢パターンを学び、実践する必要があります。英語の抑揚やリズムを正確に再現することで、より自然な英語の発声に近づくことができます。
口を大きく開けて話すときには、無理に力を入れないようにしましょう。
もし力を入れてしまうと、スムーズに話すことができず、日本語で早口言葉を言っているみたいに感じてしまうことがあります。
そうなると、英語をうまく話せなくなってしまいます。力を抜いて、リラックスして口を開けることが大切です。
口や喉、首の緊張をほぐして、胸の辺りから声を出すようにしましょう。声が自然と下に落ち着く感じです。そうすると、日本語を話す時よりも声の高さが少し下がって、少し低い声で話せるようになります。
無理やり低い声を出すこととは違います!
日本人が英語を話したときに「かわいい」と言われることがあるのは、
英語を話す時の声の高さが日本語を話す時と同じように高くなっているからかもしれません。
口や喉、首に緊張がないリラックスした状態で初めて、強弱をつけることができるようになります。
Stress-Timed Language(英語)とMora-Timed Language(日本語)
英語と日本語は、そのリズムや発声方法に大きな違いがあります。英語は「Stress-Timed Language(強弱アクセント言語)」とされ、日本語は「Mora-Timed Language(モーラタイミング言語)」です。
英語の特徴:Stress-Timed Language
英語は、強勢を置く音節とそうでない音節の間隔が一定に保たれる傾向があります。
つまり、強勢のある音節(ストレスがかかる音節)ははっきりと発音され、間隔を一定にするために、非強勢音節(ストレスがかからない音節)は短く発音されることが多いです。
日本人は「非強勢音節(ストレスがかからない音節)」が苦手です。
これにより、英語はリズミカルでメロディックな響きを持ちます。
強勢のパターンが文の意味を決定することもあり、同じ単語でも強勢の位置によって名詞と動詞で意味が変わることがあります(例:’record(名詞) vs. re’cord(動詞))。
日本語の特徴:Mora-Timed Language
日本語の発声はモーラに基づいています。モーラは、一つの音節や、拗音(「きゃ」「しゅ」「ちょ」など)や促音(「っ」)を含む音の単位で、
日本語ではこれらのモーラがほぼ均等な時間で発音されます。
そのため、日本語は均一で刻みのあるリズム感が特徴です。
日本語では、音の高さ(ピッチアクセント)で単語の意味を区別することがありますが、英語のように強弱のアクセントで意味を変えることはほとんどありません。
モーラ(morae、単数形:mora)は、言語学において音韻のリズムや長さを測るための単位です。
音節(syllable)とは異なり、モーラは音節をさらに細かく分けたもので、言語によっては音節内の特定の音や音のグループがリズムや響きにおいて等しい時間を占めることを示します。
例えば、日本語では、一つの短い母音や、閉じ音節(子音で終わる音節)の最後の子音、拗音(「や」「ゆ」「よ」を伴う音、例:きゃ、しゅ、ちょ)などがそれぞれ1モーラと数えられます。
日本語ではこのモーラが均等なリズムを生み出し、話し言葉の速度やアクセントに影響を与えます。
例として、「さくら」は「さ」「く」「ら」と3モーラ、「きょうと」は「きょ」「う」「と」と3モーラに分けられます。このように、モーラは日本語のリズム感を理解する上で中心的な役割を果たします。
英語と日本語の主な違い
英語を学ぶ時、聞くことや話すことで難しいと感じることがあります。これは、英語のリズムや言葉に強調をつける方法が日本語と違うからです。
日本語を話す人にとって、英語のこのリズムや強調の仕方をしっかりと学ぶことがとても大切です。
英語は強弱アクセントに基づく不規則なリズムが特徴で、日本語はモーラに基づく均等なリズムが特徴です。
英語では強勢のある音節が明瞭に発音されるのに対し、日本語では全てのモーラがほぼ等しい長さで発音されます。
英語では強勢の位置によって単語の品詞や意味が変わることがありますが、日本語ではピッチアクセントによる意味の区別があります。
最後に
とにかくリラックスすることが大切です。アメリカ人が出す、大きくて響くような声(booming sound)は、口や喉、首をリラックスさせて楽に声を出しているからこそ、あのような音になります。
まず、声が口や鼻、喉の中で反響して大きく聞こえる「共鳴」という現象が関係しています。リラックスして口や喉を開けることで、声が深くて豊かになり、遠くまで届きやすくなります。
英語を話すときは、胸から声を出すことが多いです。これにより、声が力強くなります。だから声が大きく聞こえるんです。
アメリカの文化では、自分をしっかりと表現することや、はっきりと意見を言うことが大切にされています。これも、大きな声で話す習慣につながっているかもしれません。
さらに、アメリカは広い国なので、開放的な場所で声を大きくして話すことが自然と多くなります。広い空間では、小さい声では相手に届きにくいですからね。
ただし、すべてのアメリカ人の声が大きいということではありません!
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