英語と日本語の発音は、かなり違うので、その違いについてもう少し詳しく見てみましょう。
英語の発音
英語の発音には、子音と母音がありますが、話す地域やアクセントによって少し違うことがあります。ここでは、英語の基本的な発音を国際音声記号(IPA)で書いてみます。
母音
英語の母音には短母音、長母音、二重母音があります。
ɪ(kit, bid, hymn, minute)
e(dress, bed, head, many)
æ(trap, bad)
ʌ(strut, mud, love, blood)
ɒ(lot, odd, wash)
ʊ(foot, good, put)
ə(comma, sofa)
iː(fleece, sea, machine)
uː(goose, two, blue, group)
ɑː(start, father)
ɔː(thought, law, north, war)
ɜː(nurse, stir, learn)
eɪ(face, day, break)
aɪ(price, high, try)
ɔɪ(choice, boy)
aʊ(mouth, now)
oʊ(goat, show, no)
ɪə(near, here)※方言によっては消滅することも
eə(square, fair)※方言によっては消滅することも
ʊə(cure, tourist)※方言によっては消滅することも
子音
p(pin, spin)
b(but, web)
t(two, sting)
d(do, odd)
k(cat, kill, skin)
ɡ(go, get)
f(fool, enough, leaf)
v(voice, have)
θ(thing, teeth)
ð(this, breathe)
s(so, pass)
z(zoo, rose)
ʃ(she, crash)
ʒ(pleasure, vision)
h(hat)
m(man, lemon)
n(no, ten)
ŋ(sing, finger)
l(left, bell)
r(red, try, very)
j(yes, yield)
w(we, quick)
日本語の発音
日本語の発音は比較的シンプルで、母音と子音で構成されています。そして、日本語独特の「モーラ」という音の単位がリズムを作っています。これは国際音声記号(IPA)を使って全部説明できます。
母音
日本語の母音は5つです。
a [a] 例:あさ(朝)
i [i] 例:いし(石)
u [ɯ] または [u] 例:うみ(海)
e [e] 例:えき(駅)
o [o] 例:おか(丘)
子音
k [k] 例:かき(柿)
s [s] 例:さし(指)
t [t] 例:たち(立ち)
n [n] 例:なに(何)
h [h]、[ç](iの前)、[ɸ](uの前の古語や方言で)例:はし(橋)
m [m] 例:まみ(豆)
y [j] 例:やく(焼く)
r [ɾ] 例:らりるれろ
w [w] 例:わい(わい)※「うぃ」などの場合
g [ɡ] 例:がく(学)
z [z] 例:ざさ(座差)
d [d] 例:だち(立ち)
b [b] 例:ばびぶべぼ
p [p] 例:ぱぴぷぺぽ
その他の音
次に来る子音を短く強く発音します。IPAでは小さい「つ」の前の子音を小文字で表し、強勢を示します。例:さっか [sakka](作家)
同じ母音を長く引っ張って発音します。例:おおきい [oːkii](大きい)
鼻腔を使って発音される音で、語尾や他の音の前で発音が変わることがあります。例:かんい [kaɴi](簡易)
日本語の単語は、母音と子音の組み合わせで作られています。日本語の発音はだいたい決まったルールに沿っているので、紹介した母音と子音を組み合わせることで、ほとんどの日本語の音を作ることができます。
でも、地方によってはちょっと発音が違ったり、特別な言葉には特別な発音があったりします。
英語と日本語の発音の違い
英語と日本語の発音の違いを見ていくとき、特に気をつけたいいくつかの大切な点があります。これらの違いは、新しい言語の発音を学ぶときに、特に注意しておくべきことです。
母音の数
日本語には5つの基本的な母音(a, i, u, e, o)があるのみで、これらは比較的単純で変化が少ないです。
一方、英語にはこれらよりも多くの母音音があり(短母音、長母音、二重母音などを含む)、母音の質に幅広い変化が見られます。
英語の母音の数は、方言やアクセントによって異なるため、一概には言えませんが、標準アメリカ英語(General American English)の場合、約14の単母音と8の二重母音があります。
これらを合わせると、約22種類の母音が存在します。ただし、英国英語(Received Pronunciation)や他の英語の方言では、この数は異なる場合があります。
母音の質
日本語の母音は口の位置が比較的固定されており、変化が少ないのに対し、
英語の母音は口の形や舌の位置の微妙な変化によって多様な音を生み出します。
例えば、英語の「i」音は日本語の「い」と似ていますが、より前方で発音され、口もより広く開きます。
子音の存在
英語には日本語に存在しない子音(例:θ [θ] と ð [ð]、r [r])があります。また、英語の子音には破擦音(例:ch [tʃ], j [dʒ])や他の多くの子音クラスター(連続する子音)があり、日本語話者にとっては発音が難しい場合があります。
子音の発音
日本語の子音は比較的軽く発音され、特に「r」音は独特で、英語の「l」音や「r」音とは異なる舌の位置で発音されます。
英語の「r」音はより強く、喉を振動させて発音されることが多いです。
リズム
英語は強勢リズムを持つ言語で、単語や文の中で強勢のある音節が不規則に配置されます。
これに対して、日本語はモーラ(音節のような単位)ベースのリズムを持ち、比較的均等な時間間隔で話されることが多いです。
抑揚
英語の抑揚は非常に動的で、感情や意図を伝えるために変化します。
日本語も抑揚を使いますが、その変化は英語ほど大きくありません。
音の組み合わせとクラスター
英語では子音クラスターが頻繁に発生し、一つの音節内に複数の子音が連続して現れることがあります(例:strength [strɛŋθ])。
日本語では、このような複雑な子音の組み合わせは少なく、音節構造がより単純です。
発音の違いによる課題
これらの違いは、特に日本語話者が英語を学ぶ際、または英語話者が日本語を学ぶ際に課題となります。発音の違いに慣れ、正確な発音を身につけるためには多くの聞き取りと発音練習が必要です。
また、母国語の発音パターンが第二言語の発音習得に影響を与えることがあり、これを「母語干渉」と呼びます。効果的な学習方法は、これらの違いを意識し、個々の音や発音のパターンを集中的に練習することです。
標準アメリカ英語と日本語の発声法(声の出し方)
標準アメリカ英語と日本語の発声法(声の出し方)にはいくつかの顕著な違いがあります。これらの違いは、言語の音響特性、音節構造、そして音のリズムやイントネーションに影響を与えます。以下に、主な違いを挙げて考察します。
発音の位置
英語では、口腔を使った発音が特徴的で、母音を発音する際に口の開き方が大きく、舌の位置が高いか低いかによってさまざまな母音が生み出されます。
また、子音においては、舌や唇の位置が非常に重要で、例えば「th」音(θ, ð)のように日本語にはない音が存在します。
日本語の発音は比較的口腔の前部で行われ、母音の発音において口の開きは英語ほど大きくなく、舌の位置も比較的一定です。子音も軽く発音されることが多く、舌の位置は英語ほど極端には変わりません。
声の強弱とリズム
英語は強弱アクセントの言語であり、単語や文の意味を明確にするために特定の音節に強勢を置きます。これにより、英語のリズムは「ストレス・タイミング」と呼ばれ、音節の長さが不規則に変化します。
日本語はモーラ・タイミングの言語であり、発声はほぼ一定のリズムで行われます。強弱は比較的均一で、強勢を用いることは少なく、音の高低(ピッチアクセント)で単語の意味の区別がなされることがあります。
音の組み合わせと流れ
英語では、複数の子音が連続して現れる「子音クラスター」が頻繁に起こり、これが発音の流れに影響を与えます。また、発音の際には、口腔や咽頭を広げたり狭めたりすることで、音の共鳴を変える技術が使われます。
日本語の音節構造は比較的単純で、開音節(子音+母音)が基本です。子音クラスターはほとんど存在せず、発声法も一定のパターンに従います。このため、日本語の発声は英語に比べて均一で直線的な印象を与えます。
イントネーションと抑揚
英語のイントネーションは非常に動的で、感情や質問、命令などの文の意図を伝えるために幅広く変化します。
日本語では、ピッチアクセントによる音高の変化はあるものの、英語ほど抑揚の幅は広くありません。しかし、文末や特定の語句においてピッチの変化が重要な役割を果たします。
英語と日本語の発声方法の違いは、言語を学ぶ人が発音や聞く力をつけるときに直面する問題の一つです。違う言語の声の出し方や音の特徴に慣れるためには、その言語特有の発音の仕方をしっかりと理解して、積極的に練習することが大切です。
さいごに
英語と日本語の発音はだいぶ違います。この違いは言葉を学ぶときにしっかりと理解しておくべきです。
英語ではたくさんの母音と子音が使われ、言葉に強いアクセントがついたり、リズムが変わったりします。
でも、日本語は母音と子音の種類が少なめで、モーラという単位で均一なリズムがあります。
アメリカ英語では、声を深く響かせるために胸から声を出すことが多いです。
一方、日本語の話し方はもっとシンプルで、一定のリズムで話すことが多いです。英語や日本語を上手に話したり聞いたりするためには、これらの特徴をよく理解して、しっかり練習することが大切です。
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